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小千谷にて・その8

ともあれ、たった六日間の小千谷滞在ではありましたが、色々と考えるところもありました(日記の日付は実際とはズレております。ご容赦下さい)。

妹は二日遅れて小千谷に来たのですが、駅まで父親が迎えに行く間、わたしと祖母の二人きりでした。
「みんな・・・、男衆はドコ行ったんかねぇー? だぁれも居らんが・・・」
静かな家の中、祖母の時間は息子五人と棲んでいた数十年前に戻っているようです。それには敢えて触れずに、
「お父さん、マキちゃん迎えに行ったよー。マキちゃんも今日から泊まるからねー」
「マキちゃんて、オメェさんの子供か?」
「マキちゃんはわたしの“妹”だよー。ヨコハマから来るから。今日から泊まるからねー」
「へぇ、それじゃ、ジャガイモでも剥いて煮といてやろうかねー」

父は迎えに出る前、夕飯の準備を既にほぼ終えておりました。
呆けた祖母を台所に入らせたくない様子の父はかなりイライラが高じており、少しでも祖母が台所へ近づこうものなら、
「バァちゃん! 触らんでいいから! 座っとけ!」と、大きな声を出したり、それでも祖母がその辺りにいると小突いてしまったりもするのです。

「もう、準備出来てるんだよー。お父さん出かける前にゴハン炊いてったし」
わたしが云うと、祖母は
「そうかね、そんならいいけど」
しばらくはコタツで大人しくしているのですが、5分もしない内に立ち上がります。
「バァちゃん、お便所?」
「いや、晩御飯の用意しないと・・・。米研がねば」
「もう準備出来てるよー」

わたしは祖母の後ろをまるで雛鳥のように追いながら、炊飯器の蓋を開け、鍋の中身を見せ、夕食が既に用意されている事を示して見せます。目で見ると祖母も納得するのです。
「そうかね。そんならいいけど・・・」
「寒いから、コタツにあたっていよー」

そしてまた5分後、祖母は壁の時計を見上げて、
「もう、こげな時間だ。晩御飯の支度せんと・・・」
と云って立ち上がります。その場で引き止めた所で聞き入れませんので、
「もう準備できてるよー。ゴハンも炊けてるしー、煮物もチンすればいいようになってるしー」

結局妹が到着するまでの約2時間余り、5分おきに台所と居間を二人でイッタリキタリしておりました。

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