真珠採り
親知らずの最後の1本を抜いた。
木曜の深夜、イベントから帰ってblogを書いて寝て起きたら左の下の一番奥、半分顔を覗かせた親知らずを覆う肉がうづうづ疼く。
すっかり忘れた赤んぼの頃、乳歯が生えてくる時のあのむずむずとした悦びと痛痒さ・・・とは似ても似つかぬ熱っぽい痛み。
前回抜いた親知らず。何十年がかりかでわたしの中で育った3本目のそれには哀しい思い出が。哀し過ぎてとても口には出せない。ので小説に仕立てた。連載中の携帯小説の半年ちょっと先ぐらいに出てくるので憶えていたら見てみて下さい。
二度とそんな哀しみは味わうまい。
出会ったばかりの若い男性医師に言葉巧みに根回し。
完全な真珠の一粒を採り出して貰うことに我成功セリ。
わたしに残された最後の真珠。完璧を期する為伴った痛み。パチン、パチン、と小さな鋏で切り開かれたわたしの肉。それを縫う蜂の針ほどの細く小さな縫い針に結ばれた黒く長い長い糸。
肉が一針縫われてつうっ、とわたしの口から外へと垂れ下がった黒糸を中空に引き上げ若い医師は、クイッ、クイッ、二重の堅結び。
オオなんという屈辱!
死んでも魚釣りなぞするものか――
親離れしたわたしの、最初の誓い。
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コメント
がんばってるねー。し~ちゃん。
親知らずといえばぼくも7,8年前に抜きましたよ。同時に2本。
しかもその2本を自分のダメになった永久歯を抜いた所に移植するの。
もうなんか信じられなかったケド、ほとんど切り貼りの世界。
今度イベントに顔だすね~。
投稿: あまり役に立ってない先輩の一人です。 | 2004/10/04 23:09
>あまり役に立ってない先輩の一人です。さま
って、ハンドル長いわっw! ご無沙汰しております~
えええー移植って、根付くん・・・でしょうねえ?
現代医学ってスゴイことになってるのですね~(嘆息)
こうして気にかけて頂けるだけで嬉しいです
イベント会場にてお待ち申し上げます~♪
投稿: し~ちゃん | 2004/10/05 00:45